ワキガ手術の失敗、再発の可能性

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ワキガ手術で臭いが復活。再発?取り残し?

ワキガの手術にはいくつか種類がありますが、共通しているのはワキガ臭の原因であるアポクリン汗腺を取り除くか破壊してしまうという点です。
ワキガ手術が失敗だと感じるのはワキガ臭が残っている、もしくはすぐに復活したと感じたときではないでしょうか。高いお金と手術に耐えたのにワキガが治ってないとなるとなると納得いかないのも当然ですね。

取り除いたはずのワキガ臭がまだ残っているのはアポクリン汗腺の取り残しが原因であることが多いです。
「手術後数ヵ月で匂うようになった、再発した」という書き込みをよく見かけますが、数ヵ月でアポクリン汗腺が急成長して再生してしまうというのはあり得ません。手術後1~2ヶ月は残っている汗腺も活動休止状態となっています。汗の分泌もワキ毛も仮死状態のようになるのです。その後再び汗腺が活動するようになり、取り残っているアポクリン汗腺から臭いが復活したように感じるというわけですね。
どうしても手術直後の汗やニオイの状態を基準として考えてしまうので余計に落差を感じてしまうことも再発だと思ってしまう要因です。

取り除いたアポクリン汗腺が再生するのに数年から10年ほどかかります。私も超音波法で手術をした時に「10年ほどしたらまたアポクリン汗腺が再生するかもしれないよ。」と言われました。特に大人になってから手術した人はアポクリン汗腺の成長が終わっているので再生したとしてもかなり時間がかかります。
アポクリン汗腺がぐんぐん成長している成長期の子供でも手術すれば再生に数年はかかるのが一般的です。

つまり手術後、最低でも2ヶ月目以降のニオイや汗の状態を本来の手術の成果として考えるべきなのです。

完全無臭の人間はいない。

もともと、ワキガ体質ではなく耳垢が乾いている人でも少しはアポクリン腺を持っています。ワキガ体質の人はその何十倍もアポクリン腺があるから問題になっているのですね。
そのため、手術をしても完全にアポクリン腺を全て完璧に取り除けるわけではありません。普通の制汗剤でケアすれば日常生活に問題がない程度まで改善することが目的です。

ワキガ手術と言えば失敗や再発などがまず心配されがちですが、アポクリン汗腺が元のニオイの半分になるだけで成功と感じる人もいれば失敗と感じる人もいます。
体臭の感じ方というのは人それぞれでとても難しいのですが、ワキガ手術に完璧な無臭を求めている人ほど満足度が低いように思います。
私の場合は手術後、担当した医師に「6割ほどのアポクリン汗腺が取れたと思います」と言われました。それでも個人的にはかなり満足でした。元のニオイの40%も残っているとは思えないほどの効果を感じましたし、ワキガじゃない人ってこんなに楽なのかと感動しました。

制汗剤やワキガクリームは術後も使っていましたが、明らかにニオイが減ってワキガに神経質になる必要がなくなったため、塗り直しもほとんど必要なく気持ちに余裕が出ました。ワキガではない人も身だしなみとして制汗剤は使っていますし普通のケアで間に合っていることに満足でした。

しかし手術後もワキガのニオイが全く改善されないと感じている人も実際います。それはいくつかの理由が考えられます。

副乳があると脇の多汗症になる

人間の祖先はもともと犬や猫などの哺乳類と同じように複数の乳房を持つ動物でした。しかし進化の過程で一度の出産で通常一人しか子供を産まなくなったので左右の2つの乳房以外は退化していったのです。
しかしまれに退化した乳腺組織が残存している人がいます。これを「副乳」と言います。女性の5%、男性の2%が持つと言われている副乳ですが脇の下周辺にあると「腋下多汗症」となることが多いのです。女性の場合は生理前や妊娠時に脇の下の副乳が張るようになって気がつくことも多いですね。
副乳は固い組織であるため、アポクリン汗腺を取り除くワキガ手術をしても副乳の上にあるアポクリン腺を取り残すことが多いのです。そのためワキガ臭が改善されず手術は失敗だと感じてしまうのです。

副乳には乳首が無いことも多く、通常は脇の下にぽっこりと乳腺組織が確認できる程度です。副乳があったからといって体には何の悪影響もないのですが、ワキガ手術をするときには弊害となってしまうのです。
副乳があるかもしれないと思う方は手術の担当医にも相談しておくことがベストです。

自己臭恐怖症

ワキガを自覚している人は「自分は臭い」と強く思っている方がほとんどです。しかしワキガ臭とその他の体臭の区別が付いていないと手術をしても満足できる結果にはなりません。
ワキガの手術はアポクリン汗腺からの汗のニオイにしか効果がないので、エクリン腺や皮脂腺からの体臭で悩んでいる人や、周りの反応に神経質になっている自己臭恐怖症の場合はほとんど効果を感じられないからです。
通常、ワキガ手術を希望すると本当にワキガ体質かどうか医師が耳垢のチェックをしたりガーゼを脇にはさんで汗のニオイを嗅いだりして診断します。
しかし一部の美容外科などではきちんと検査をしないまま利益優先でワキガ手術をしてしまうところもあるのです。本人がワキガ体質ではなく別の体臭で悩んでいる場合、当然効果はありません。

確実なのは「剪除法」

アポクリン汗腺を取り除く手術で一番確実なのが剪除法です。3~6センチ切開して皮膚を裏返してアポクリン汗腺を確認します。医師が目で確かめながら行うので確実にアポクリン汗腺を取り除くことができるのです。

⇒ 目で見ながらワキガ手術 「剪除法」